首都高速道路技術センターは、首都高速道路(株)以外にも国交省、東京都などの鋼橋、RC橋・PC橋の維持・保全に係わる設計業務やアセットマネジメント業務を行っております。

コンクリート構造物の診断

 橋梁やトンネルなどのコンクリート構造物に発生した経年劣化や火災などの損傷・異変に対して、目視・たたきによる方法、非破壊検査機器(電磁波レーダーや赤外線カメラなど)を用いる方法、コア削孔などの局部的に破壊する方法により、調査・診断を行っています。

損傷の原因調査

 コンクリート構造物に発生した損傷について、調査計画の立案から現場調査、損傷原因の推定を行ないます。

現場調査

現場調査

コンクリート構造物に発生した損傷事例

コンクリート構造物に発生した損傷事例

コンクリート構造物に発生した損傷事例

コンクリート構造物に発生した損傷事例

【調査事例】
 プレテンI桁床版橋において、桁下面に橋軸方向のひび割れが確認され損傷の発生原因としてアルカリ骨材反応(以下ASR)が疑われた 。この桁下面から採取した被りコンクリートの試料によりASR反応性試験を行った。

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ひび割れ開閉量および歪の測定

ひび割れ開閉量および歪の測定

コアを採取しての各種試験

コアを採取しての各種試験

ひび割れ開閉量および歪の測定

ひび割れ開閉量および歪の測定

コアを採取しての各種試験

コアを採取しての各種試験

 ASR反応性ゲルの確認、潜在的に有害な膨張率(残存膨張性があること)を報告し、今後水分が骨材に供給されないような確実な防水工(床版防水)の実施を提案した。

局部的な破壊試験による健全度評価

 局部的な破壊試験は、コア採取による方法、ドリル削孔粉を用いる方法、はつりによる方法および鋼材を採取する方法があります。圧縮強度、静弾性係数試験や塩化物イオン濃度試験などの調査結果を基に構造物の健全度を評価します。

【調査事例】
 トンネル部の美装化に伴い、竣工より45年経過したトンネル擁壁部の健全性を評価することとなった。このトンネルは東京港沿岸を横断する沈埋トンネルであり、調査の対象である坑口部は、直接海水の影響を受ける部位であるため、塩害による劣化に着目した調査を行った。
①圧縮強度、静弾性係数試験
②中性化試験
③塩化物イオン濃度試験
④鉄筋の腐食傾向(自然電位法)

中性化深さ測定

中性化深さ測定

鉄筋腐食範囲調査結果例(自然電位マップ)

鉄筋腐食範囲調査結果例
(自然電位マップ)

鉄筋腐食範囲調査結果例(自然電位マップ)

鉄筋腐食範囲調査結果例
(自然電位マップ)

 自然電位法による鉄筋の腐食傾向では、側壁下部に鉄筋腐食の可能性が確認されたが総じて鉄筋かぶり厚さやコンクリート強度が十分であることから、海水による塩害の進行は緩やかであると推察し広域的な塩害劣化の心配はないと考えられた。

 各調査結果より各部位の健全度評価を行うとともに、今後の耐久性確保および恒久化対策を提案した。

火災損傷構造物の健全度調査

 火災により損傷したコンクリート構造物の被災状況を調査するため、シュミットハンマーによる圧縮強度推定や中性化試験等の調査を提案し、コンクリート構造物の受熱温度を推定し、健全度の確認を行ないます。

火災により損傷した構造物

火災により損傷した構造物

反発度測定状況

反発度測定状況

中性化試験状況

中性化試験状況

【調査事例】
 高速湾岸線(神奈川地区)において、車両火災事故が発生した。火災が発生した車両は高架下に停車しており、火炎が直上のPC橋床版を焦がし、コンクリート表面が変色したように見えた。
 車両火災によるPC構造物の被災や損傷が疑われたため、「橋梁の火災時点検・調査マニュアル」(平成22年3月首都高速道路㈱)により、PC橋の被災度を評価することを目的とした調査を行なった。

①反発度法による圧縮強度推定調査
②ドリルによる中性化深さ試験

火災発生後の高架下状況

火災発生後の高架下状況

火災を発生した車両

火災を発生した車両

圧縮強度試験の状況

圧縮強度試験の状況

 調査の結果、受熱による圧縮強度の低下は認められなかった。ドリル法による中性化深さについては、受熱による中性化深さが進行したと考えられなくもなかったが、圧縮強度推定結果及び箱桁下面のコンクリート表面の外観状況より、被災部のコンクリート表面にすすが付着している状況は受熱温度300度程度と考えられ、中性化が進行する500度程度の受熱とは考えにくい。

 これらの結果より、車両火災によるPC箱桁床版のコンクリートの被災状況は、受熱温度300度程度であり、コンクリート及び鉄筋が受熱による劣化を起こすと考えられる500度以上ではなく、再使用に耐えられる状態であると報告した。

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