橋梁に発生する応力を計測することにより、疲労き裂発生原因の推定、補修・補強効果の確認などを行っています。
①動ひずみ計測
荷重車による試験走行、または、実交通により発生する変動応力を測定します。
- 最大で32chの同期計測が可能です
- ロゼットゲージを使うことで,主応力方向を求めることができます
- 計測した結果をデジタル変換して保存するので,収録データを動波形の分析や頻度解析に活用することが可能です
②応力頻度解析
鋼構造物の疲労は車両の走行により生じる応力の変動幅とその発生頻度に依存してます。応力計測により測定した波形はレインフロー法により解析し、応力頻度分布や等価応力範囲を求め、疲労寿命の評価に用います。
- 24時間32chの動波形を記録し、頻度解析を行うことができます
- 全波形データを記録するので、ノイズの影響を評価した解析が可能です




③実橋における既設鋼床版へのSFRC補強効果確認計測
デッキプレート-トラフリブ溶接部の損傷原因は、輪荷重によるデッキプレートとトラフリブの局部変形が引き起こす溶接ルート部の応力集中であると考えられています。実橋のデッキプレートの剛性向上を目的としてSFRC(鋼繊維補強コンクリート)による鋼床版の上面から補強を行います。この補強効果を確認するため補強前後に計測を行った橋梁について、供用後の健全性が維持されていることを確認するためのモニタリング計測、その後の追跡調査も当技術センターで行います。
①鋼製橋脚隅角部のFEM解析
補修・補強構造の良否を判断するためにFEM解析を行っています。例えば、鋼製橋脚の隅角部のように応力の流れが複雑で局部的な応力集中を起こすような部位では、補修・補強前後の応力の状態を調べるためにFEM解析が有効です。