道路構造物の健全度を診断するには、損傷状況を詳細に把握する必要があります。当社では検査資格を有する専門技術者が計画立案、現場調査、報告まで一貫した詳細調査を実施します。さらに、必要に応じてFEM解析や実験などを行うことで、損傷原因の究明、補修方法の提案を行います。
(1)詳細調査
・鋼構造物の詳細調査
鋼構造物の主な損傷には、疲労き裂、腐食、変形があります。これらの損傷の程度を詳細に把握するために、磁気探傷、超音波探傷等の非破壊調査、3次元形状計測、電子顕微鏡による破面観察、鋼材の成分分析などの詳細調査を実施します。
・コンクリート構造物の詳細調査
コンクリート構造物の主な損傷には、ひび割れ、剥落、鋼材の腐食などがあります。これらの損傷の程度を詳細に把握するために、鉄筋探査、コンクリート塩分濃度測定等の非破壊調査、圧縮強度試験、中性化深さ測定、化学成分分析などの詳細調査を実施します。
(2)計測・モニタリング
疲労き裂やひび割れなどの損傷に対し、発生原因の究明、損傷程度の把握、損傷の進展状況監視などを目的として、応力、変位、振動などを計測します。調査する損傷や目的に応じて計測箇所と計測方法を選定し、計測を行います。
(3)FEM解析
FEM解析を行うことで、計測では得られない細部の応力状態を把握することができます。FEM解析では対象構造物や目的に応じて解析ソフトを使い分け、発生原因の究明、補修方法の立案および効果確認などを行います。
(4)実験
損傷の進展メカニズムの解明、耐荷性能や耐久性の確認、補修方法の開発および効果確認などを行うために、大学などと連携して各種実験を行なっています。
(5)災害時の調査・診断
地震や火災により被災した構造物に対して、詳細調査、計測、解析を行うことで健全度を評価します。また、損傷部の状態変化を監視するために、遠隔操作による長期モニタリングを行なっています。